2015年3月 buildingSMART国際規格会議報告

CIM国際標準化推進プロジェクト 有賀貴志

1. 概要

 2015年3月、イギリスのロンドン郊外にあるワトフォード(Watford)において、buildingSMART International Standards Conference(以下、本会議という)が開催された。本会議には、19の国・地域からおよそ160名が出席した。 日本からは、大阪大学の矢吹先生をはじめとする計8名が参加した。なお、本報告書は土木分科会からの参加メンバーが出席したミーティング等について報告するものである。

 

日 程: 2015年3月23日~25日
場 所: BRE, Watford, London, UK(図 1.1 )
参加者: Infrastructure Room 矢吹先生、古屋氏、江端氏、有賀
Regulatory Room 武藤氏
(JACICより宮本氏、横山氏および北海道大学より田中先生が参加)

 

図 1.1 BRE

図1.1 BRE

2. Infrastructure Roomの決議

Infrastructure Roomの決議について、英語原文と日本語訳を以下に示す。

 

1) Infraroom recommends that IFC alignment 1.0 will be accepted by SCE and approved as a bSI Final Standard. InfraRoom は、SCE(Standard Committee Executive)によるIFC Alignment 1.0の承認、ならびにbSI Final Standardとして正式に認可されることを勧告する。
2) InfraRoom accepts the initial scope of the 1.1 alignment project and asks InfraRoom Steering group to organize funding and stakeholders. InfraRoomは、1.1 alignment projectの最初の検討対象を容認し、資金および関係者の調整をInfraRoom Steering Groupへ要請する。
3) InfraRoom agrees with the presented approach on alignment deployment pilots and encourages its members to participate in setting up pilots. InfraRoomは、Alignment の開発準備について提示されたアプローチおよび準備の立ち上げにおけるメンバーの参加の促進に同意する。
4) The Infraroom acknowledges the contribution of Paul Scarponcini on behalf of OGC in the ongoing activities of InfraRoom InfraRoomは、InfraRoomで進行中の活動におけるOGC代表のポール・スカポンチーニの貢献に謝意を表する。
5) The InfraRoom acknowledges the work of the French Minnd project regarding IFC-bridge and expects to receive a project plan this april in order to move towards an International IFC Bridge project. InfraRoomは、IFC-Bridgeに関するフランスのMinndプロジェクトの作業に謝意を表する。また、国際的なIFC-Bridgeプロジェクトとするためのプロジェクト計画を今年4月に受け取ることを期待する。
6) The InfraRoom supports the call of the Minnd project to convene an IFC Bridge expert panel meeting in June 2015. InfraRoomは、2015年6月にIFC Bridgeのエキスパートパネルを開催するためのMinndプロジェクトからの参加を支援する。
7) The infraRoom observed a list of activities on the official buildingSMART website that do not reflect the current approved work of InfraRoom. InfraRoom requests the website be brought up to date. IfnraRoomは、InfraRoomで容認されている現在の活動が公式のbuildingSMARTのwebsiteの活動リストに反映されていないことについて意見を述べ、websiteの更新を要請した。
8) InfraRoom acknowledges the strong interest in the Asset Management working group. The InfraRoom supports the intent of the working group to develop a project plan for a requirement definition study. InfraRoomはアセットマネジメントワーキンググループの強い関心を認める。InfraRoomは要求定義分析のためのプロジェクト計画を開発するワーキンググループの意図を支援する。
9) The InfraRoom supports the call by ExCom to create an organizational charter. Furthermore, the InfraRoom recognizes the urgency and sets out to present the charter at the next summit in Singapore in October 2015. InfraRoomは、組織的な設立趣意書を作成するためのExComの招集を支援する。さらに、InfraRoomは緊急性を認識し、2015年10月にシンガポールで行われる次回サミットでの提示に着手する。
10) InfraRoom acknowledges the progress made by OGC on the Infra-GML standard and InfraRoom encourages its members to review the published model. Furthermore, the InfraRoom endorses the manner in which bSI and OGC have cooperated and recommends its continuation. InfraRoomはInfraGML標準にOGCの進捗状況を認識しInfraRoomが発行したモデルをレビューするようにメンバーに勧める。さらに、 InfraRoomはBSIとOGCが協力し、その継続を推奨している方法を支持する。
11) InfraRoom recommends the renewal of the MOU between bSI and OGC to include the full scope of InfraRoom activities. InfraRoomはInfraRoom活動の全範囲を含むようにBSIとOGCの間でMOUの更新を推奨する。
12) The InfraRoom endorses the bS MVD for LandXML 1.2 as bSI Recommended Technical Report (Recommended TR) and to circulate it to the Standards Committee for endorsement as bSI Final Technical Report (Final TR). InfraRoomはBSIはテクニカルレポート(推奨TR)としてLandXML1.2のためのbsMVDを推奨し、それがBSI最終テクニカルレポート(最終TR)として承認されるために規格委員会に回覧する。
13) The InfraRoom supports the establishment of a working group to address the integration of spatial and built environment modelling and proposes to suspend the “integrated built environment life cycle model working group” while the new group refines its work plan. InfraRoomは、空間および建築環境モデリングの統合に対処するためのワーキンググループの設立を支援する。また、新しいグループが、その作業計画を洗練する間、「統合構築された環境のライフサイクルモデルワーキンググループ」を一時停止することを提案する。
14) The Infrastructure Room approves the bSI IFC Roads initiative for further development and team formation. インフラルームにはさらなる開発とチームの形成のためのBSI IFC Roadイニシアチブを承認する。
15) InfraRoom notes that Chapters and other stakeholders present in the IFC Roads working group meeting are committed to perform a review of the KICT IDM, data schema and documents and provide an assessment of their own exchange requirements compared to the KICT work, in the next 60 days. This assessment will include consideration of railroads. チャプターおよびIFC道路ワーキンググループに存在する利害関係者が、次の60日間で、 KICTのIDM 、データスキーマや文書の見直しを行い、 KICTの仕事に比べて、自分の交換要件の評価を提供するためにコミットしていることに注目している。この評価は、鉄道の検討が含まれる。
16) The InfraRoom supports the intention of the IFC Roads working group to draft an amended project proposal to take in account feedback received during the working group meeting. First draft will be distributed to the current working group participants in 14 days, and a teleconference will be scheduled in 30 days to discuss the amended proposal. InfraRoomは、ワーキンググループのミーティング間で受け取ったフィードバックを考慮に入れるための改正されたプロジェクト提案の想起するためのIFC Road ワーキンググループの意図を支援する。最初の原稿は14日以内に現在のワーキンググループ参加者に配布され、改正提案の協議のための電話会議が30日以内に調整される。
17) The InfraRoom acknowledges the contribution from KICT in preparing and translating the documents that relate to their IFC Roads project and thanks them for sharing the documentation with InfraRoom. InfraRoomは、IFC Roadプロジェクトに関するドキュメントの準備および翻訳におけるKICTの貢献を認め、InfraRoomとのドキュメントの共有に感謝する。

 

 

3. スケジュール

本会議のスケジュールを以下に示す。土木分科会メンバーは、スケジュールに太字で示す、Infrastructure Room(以下、InfraRoomという)のセッションに参加した。

 

表 3.1 全体スケジュール

第1日目:3月23日(月)
  12:30 参加登録
  13:00 ~ 14:00 昼食
  14:00 ~ 15:45 全体会議
  16:00 ~ 18:00 Room別ミーティング(表 3.2)
第2日目:3月24日(火)
  9:00 ~ 10:45 Room別セッション1(表 3.3)
  10:45 ~ 11:00 休憩
  11:00 ~ 13:00 Room別セッション2(表 3.3)
  13:00 ~ 14:00 昼食
  14:00 ~ 15:45 Room別セッション3(表 3.3)
  15:45 ~ 16:00 休憩
  16:00 ~ 18:00 Room別セッション4(表 3.3)
第3日目:3月25日(水)
  8:30 ~ 13:00 全体会議
  13:00 ~ 14:00 昼食
  14:00 ~ 17:30 全体会議

 

表 3.2  Room別ミーティング

第1日目:3月23日(月)16:00 ~ 18:00
  • Technical Room Meeting
  • Infra-structure Room Meeting
  • Regulatory Room Meeting
  • Building Room Meeting
  • Data Dictionary Room Meeting

 

表 3.3  Room別セッション

第2日目:3月24日(火)
9:00 ~ 10:45 セッション1
  • Product / bsDD Consolidated
  • IFC4 Coordination View
  • BIM Guidelines
  • Regulatory Room
  • Infrastructure Alignment Implementation
  • Augmented Reality
11:00 ~ 13:00 セッション2
  • Product/bsDD Consolidated continued
  • Coordination View add-on MVDs
  • MIB Guidelines cont.
  • Regulatory Room
  • IfcBridge
  • bSI Technical Roadmap
14:00 ~ 15:45 セッション3
  • Building Program information exchange IDM/MVD
  • Product/bsDD Consolidated continued
  • GIS/BIM integration (start at 15:00)
  • BIM Guideline cont.
  • Regulatory Room
  • bSI IfcRoads
  • BIM Semantic Web/Linked Data
16:00 ~ 18:00 セッション4
  • Building Program information exchange IDM/MVD
  • BIM Guidelines & bsDD joint meeting on terminology
  • GIS/BIM integration (continued; join Infrastructure Plenary at 17:00)
  • Product/bsDD Consolidated cont.
  • Regulatory Room
  • bSI IfcRoads cont. 1 hour & 1 hour plenary
  • BIM Semantic Web/Linked Data

 

 

4. InfraRoomの主要報告

4.1 IFC-Alignment

 

アラインメント・プロジェクトは、線形を表現する初期段階のモデルである「1.0 alignment project」として承認された。これにより、InfraRoomはStandard Committee Excective:SCE(規格委員会幹部会)に対して「1.0 alignment project」の承認、bSI Final Standardとして正式決定されるように申請することとなった。

 

現在のアラインメント・プロジェクトは線形を表現する初期段階のモデルである「1.0 alignment project」であり、今後は、実務への実装に向けた「1.1 alignment project」としてのプロジェクトを展開する活動が開始される。そのための資金およびstakeholder(利害関係者)との調整をInfraRoom Steering Groupへ要請することとなった。

 

現在のアラインメント・プロジェクトの成果は、2015年第一四半期に予定してる。このstandardの使用に先立ち、その機能がソフトウェアに組み込まれ、実務でテストされる必要がある。このプロジェクトは複数の実装を先導し、様々なpilot situation(試行作業)でテストされる。その結果は、IFC-standardsの改善、standardを展開するユーザコミュニティの確保に使用できる。
アラインメントを展開するためのプロジェクトは、実行に約1年かかり、P6 アラインメントプロジェクトの終了直後に開始できる。要求されている成果は、1年後:実験的な実装、正確な実装、実務におけるテスト、3年後:IFC5の拡張、実装計画である。

 

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4.2 IFC-Road

これまで主に韓国のKICTが取り組んできたIFC Road の開発とチーム形成のためのイニチアチブが、InfraRoomで承認された。今回のサミットでは韓国のKICTが作成したIFC RoadのIDM、schemaやドキュメントが提供された。これらのドキュメントは、各国のチャプターが約60日間で内容を精査し、各国の道路データの交換要件に対する評価を行うこととなった。さらに、この評価には道路に加えて鉄道の情報も考慮することとなった。

 

現在、IFCの拡張を提供するために世界的に協調・調和させるための機会があり、この分野の重要な仕事が、bSI IFC Road の標準化に強い関心を持ついくつかのチャプター(KICT、OGCなどを含む)で実施されている。道路に関するbSI Standardはこのような既存の作業とのコラボレーションにより、速やかに開発することが可能である。今回提案されたプロジェクトの範囲は、設計・施工段階をカバーし、設計、見積、工程、施工などに関するデータ要件を含んでいる。

 

作業の開始後は以下のスケジュールにより実施されることが期待されている。

 

9ヶ月後 – プロセス、交換要件、制約などを含むIDBの承認。これらの取り組みは、KICTのモデルとチームメンバーのそれぞれの要求事項を比較することで速やかに行うことができる。

 

18か月後 – IFC Road の共通概念モデルの定義、用語および完成の同意。

 

24ヶ月後 – すべての必要書類を含む、IFC Roads standardと実装モデルの完成

 

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4.3 IFC-Bridge

IFC Bridgeは主としてフランスのMinndプロジェクトで検討が行われている。今回のサミットでは昨年のトロントサミットから特段の進展が見られなかったが、今後、IFC Bridgeはモデルのコンセプトを含めて、大幅な見直し作業が行われることが判明した。いくつかの橋梁の事例を検討していることが示され、現在のIFC Bridgeでは、モデルのコンセプトが明確ではないこと、モデルとして表現できない要素があること、既存のIFCのクラスによる橋梁要素の表現等、大幅な見直しが必要であることが説明された。
IFC Bridgeの標準化に向けて、昨年度トロントで承認された標準プロセスに従ってプロジェクトが進められることが示された。今後、IFC Bridgeを国際的なプロジェクトとするための活動計画が4月に提出される予定であること、6月にフランスで開催されるエキスパートパネルでIFC Bridgeに関する協議が行われることとなった。

 

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IFC Bridgeの取り組みは、IFCの拡張により橋梁に特化したBIM standardの開発が目的である。P6 alignmentや既存の取り組みに基づいて、橋梁に関連するモデル、IFC4の必要な拡張、既存のモデルとの結合などが取り組の範囲となる。これらの取り組みは、日本、韓国、フィンランド、フランス、ドイツ、アメリカ等で現在進行中のの関連するプロジェクトに基づいて実施される。この取り組みに関して要求される成果は、1年後:Data Dictionary、IDM、bSIとMOU、橋梁データの相互運用に関する実態調査、3年後:典型的な橋梁プロジェクトでの情報伝達のためのIFCの拡張、ビューワーの作成である。

 

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5. その他

5.1 会議の様子

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Plenary meeting day-1
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Room meeting
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Break
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Plenary meeting day-3

 

5.2 資料

会議にて配布された資料は、アルファオフィスの IAI日本-国際会議-ITM55_201503 に登録してある。

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